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「NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業」を読んだ

NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業

NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業

目的、モチベーション

アメリカの大手テック系の中で、Netflixのことはビジネス的に全然知らなかったので、どういう歴史があり何が強みなのかを知りたかった。

全体の感想

ストリーミングに本格的に参入し始めた2011年までの話なので、もう少し最近の話を知りたかったです。
Netflixが古い会社だったのが意外でした。
基本的にはブロックバスターという競合との対比が多かったです。
社内政治はTwitter級にドロドロしてると感じました。

目次

概要

プロローグ

第1章 暗闇でドッキリ

1997〜1998年

DVDが普及しておらず、VHSからDVDに移行し始めてた時期に、DVDの宅配レンタル形式でスタート。

メンバーの1人は郵便局で3カ月働き、郵送のフローを把握して、いかにDVDの破損をなくすかを学ぶ。

サービスローンチ前は、狭いオフィスに泊まり込みをして体臭が漂い、他の会社の管理職級のメンバーが多く、人生を賭けた勝負という雰囲気。

サービスリリース直後は、テストに協力してくれてたインフルエンサーのお陰もあって、サーバが捌き切れないぐらいユーザ数と注文数がきた。サーバ増強の担当以外はDVD送付の対応に追われた。

第2章 続・夕陽のガンマン

1998〜1999年

DVDの規格化が進み順調だった一方で、レンタルは伸びずに、販売しか伸びてなかった。
共感力のないヘイスティングスが共同CEOとしてジョインして、社内のメンバーから反感を買いながらも、戦略的に物事が進むように。
レンタル事業に転換するために、Amazonと提携し、販売はAmazonに送客してAmazonNetflixを宣伝してもらうように。

第3章 黄金狂時代

1999〜2000年

ヘイスティングスに経営権が渡ると、創業期のメンバーも徐々に退職して、社内の雰囲気も変わってく。

ブロックバスターに買収の話を持ちかけるも同意に至らず、真っ向から勝負することに。

第4章 宇宙戦争

2001〜2003年

ドットコムバブルが崩壊し、IPOが厳しくなったため、Netflixの価値を証明する必要が出た。
そのためには、大手レンタルのブロックバスターにとって脅威になる印象を与える必要があった。
そんな状況の中、ブロックバスターは店舗でのサブスクリプションサービスを開始し、Netflixの印象が変わった。
IPO前にはバーンレートが高く黒字化が厳しいため、4割の社員は一斉に解雇された。
無事IPOに成功し優秀で鋭い社員も増えた。家族的な雰囲気で経営する趣向があり、社内で権威を失いつつあった創業者のランドルフは退職することに。

第5章 レオン

2003〜2004年

Netflixは3桁成長を続けて絶好調だった。
ブロックバスターもオンラインを検討し始め、ビジネスプランを練ったがNetflixのクローンに行き着いた。
物流の基盤を整えるために、友人や親族に頼り、ネットフリックスの会員を装って物流センターを盗み見させたりもした。
Netflixは軽視して、値上げまでした。

第6章 お熱いのがお好き

2004〜2005年

ブロックバスターがオンラインに踏み出した。
別会社をつくって採用も別途行った。 社内では既存の実店舗の方が稼ぎ頭のため、カニバらないように実店舗より目立つ宣伝は行わないなどの制約はあった。 見た目はほぼ完璧にNetflixをコピーしたものをリリース。 しかし、システムの設計が悪く、エラーも噴出。

第7章 ウォール街

2004〜2005年

ブロックバスターのキーマンである、アンティオコスたちの話や、失敗に終わった同業他社の買収の話。

第8章 キック・アス

2004〜2005年

噂されていたAmazonの参入の対策を進める一方で、ブロックバスターは攻勢を強める。ブロックバスターは新規ユーザ獲得のため、赤字前提の値下げやスーパーボウルでCMを出すなどして、ユーザの獲得を順調に進める。

財務的にも長期的な継続は不可能だと見切り、特に対策を打たなかったことなども悪影響し、マスコミによるNetflixのネガティブな報道が増えた。

当時はSNSもなく、個人の発信はあまり影響力はなかったが、人気ブロガーは徐々に影響力をつけていた。

キューという在庫切れの作品を後で登録リストの機能では、定着しているヘビーユーザは後回しにして、新規ユーザを優先させるアルゴリズムになってる疑いがオンラインコミュニティ主導で騒動になった。

また、キューを家族のメンバーごとに区切れる機能や、自分のキューをシェアできるフレンズという機能をユーザに告知なくクローズして騒動になった。

第9章 我等の生涯の最良の年

2005〜2006年

ブロックバスターの実店舗の売上はどんどん落ちていき、閉店も相次いだ。その結果、オンラインでの値下げやキャンペーンの予算が大幅にカットされ、攻勢が終わった。更に、DVDを買うお金すらなく、あと払いを拒否された会社の最新作も十分な在庫を確保できなくなった。

Amazonはイギリス等ではDVDのオンラインレンタル事業を行なっていたが、国内では展開しないという話も流れた。

Netflixの株価は逆転して時価総額15億ドルをつけた。

第10章 帝国の逆襲

2006〜2007年

ブロックバスターは「延滞料金の終わり」キャンペーンで少し立て直して、オンラインのマーケティング予算を追加して、また値下げ合戦が始まった。

更に、実店舗で返却できたりするハイブリッドのサービスを提供し始めると、新規獲得ユーザ数はNetflixを上回り、本格的に潰しにかかった。

一方、Netflixブランディングを強化して、論理的でない部分で、ユーザとの繋がりを強化した。 また、品揃えが少ないながらも、ストリーミング配信をスタートした。ストリーミングによって、どの部分で再生が終わったか、繰り返し見られてるかを計測できるようになり、より細かい分析が行えるようになった。

第11章 Mr. インクレディブル

2006〜2009年

シネマッチの精度を上げるために、アルゴリズムコンテストを開催した。膨大なデータの提供と賞金で多くの参加者を集めることに成功する。 AT&Tのチームが優勝した。 このアルゴリズムでは、会員が評価せずとも会員の行動のみで推薦でき、ストリーミングとも相性が良いものだった。

第12章 真昼の決闘

2007〜2008年

会員をブロックバスターに奪われ始め、打つ手なしになり、ブロックバスターオンラインの買収を提案するも、ブロックバスターに断られる。 ブロックバスターはCEOと株主の対立が深まり、CEOが退任することに。 Netflixは上場後初めて下方修正することに。ヘイスティングも疲弊し、社員も士気が低下していた。

第13章 大脱走

2007〜2009年

ブロックバスターの新CTOはセブンイレブン出身で小売業の人となった。デジタル音痴でオンラインでの成長よりもオフラインを重視する路線に。ブロックバスターの幹部達は次々に退職した。 ついには、倒産まで噂されるように。

思わぬ形でNetflixは救われ、ユーザの獲得も加速。 KUROというハードウェアをリリースして、テレビでデジタル配信のコンテンツを気軽に見れるように。売行きは好調で、波に乗って次々にコンテンツ提供会社と契約を結ぶ。

第14章 勇気ある追跡

2009〜2010年

第15章 ニュー・シネマ・パラダイス

2011年

海外進出に本格的に乗り出す。
一方でブロックバスターの二の舞にならまいと、ストリーミングに舵を切る方針に。
オンラインレンタルは別の会社にしてサービスも別々にするという徹底した方針や、リーマンショック後で不景気の中、オフラインレンタルを値上げしようとして、ユーザから大反発を買ってしまい大炎上する。
経営陣もブロックバスターを相手に闘っていたときに比べて、利己的になってしまう。

エピローグ

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