「ベゾス・レター:アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則」を読んだ
- 作者:スティーブ&カレン・アンダーソン
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2019/11/18
- メディア: 単行本
目的、モチベーション
twitterで知った。ベゾスが発してる情報源である株主への手紙を読み解いて、成長原則を学ぶというコンセプトが面白そうだったので、読んだ。
全体の感想
Amazon系のビジネス書は、「ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAMAZONの隆盛」や「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」など何冊か読んだことがあったり、ネットの記事を読んだりしてたので、めちゃくちゃ目新しいものがあったかというと微妙。頭の中は整理できたり、復習にはなったりした。
ややこしいが、本書の14ヵ条はAmazonが掲げる「Our Leadership Principles」という14項目からなる信条とは別物で、著者が約20年分の株主へのレターからベゾスやAmazonが重視している原則を見出したものなので注意。
メモ
前段として、Amazonにおけるリスクの話があった。
リスクは一般的には避けられるものだが、長期的に正しく進むためや、大きな革新やリターンを得るためには大胆に迅速に進める必要がある。
そのため、ある程度は失敗する前提で学びを得られれば良しとしてリスクを犯すべき。
14ヵ条は以下の通りで、企業文化として有名なものが多かった。
- 成長サイクル:実験
- 第1条 「いい失敗」を促す
- 第2条 大きなアイデアに賭ける
- 第3条 ダイナミックな発明や革新を実践する
- 成長サイクル:構築
- 第4条 顧客にこだわる
- 第5条 長期的な考え方を採用する
- 第6条 自分の「弾み車」 を理解する
- 成長サイクル:加速
- 成長サイクル:規模の拡大
- 第11条 企業文化を守る
- 第12条 高水準を重視する
- 第13条 重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直感を信じる
- 第14条 常に1日目だと信じる
特に印象に残ったのは、以下。
第4条 顧客にこだわる
ユーザ本位というのは、どのような会社でも同じようなことを掲げるが、Amazonでは顧客に「すごい」と言われるような極端なレベルまでこだわるというのを徹底している。
顧客の問題を解決するのではなく、問題を発生させずに完全に潰すのが仕事。
徹底している一例として挙げられて面白かったのは、オンデマンドの映画を購入した顧客が見た時間帯に、顧客が気づかないレベルでネットワークの状態が少しだけ悪かったことをシステムが検知し、Amazon側から自ら顧客に謝罪と返金の連絡を行った。
第7条 決定は迅速に行う
大きい組織でも迅速に意思決定を行うために、「後戻りできない」ものと「失敗しても辞めたり取り返しのつく」ものの2種類に分類している。
遅くなって手遅れになるよりも、情報不足で間違うことの方を良しとする。
第13条 重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直感を信じる
意思決定の際には数字をみて良し悪しの判断を勿論行っているが、スムーズにできる一方で、革新が起こりにくくもなるので数字は疑いもする。
- 作者:スティーブ&カレン・アンダーソン
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2019/11/18
- メディア: 単行本