「THE TEAM 5つの法則」を読んだ
THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)
- 作者: 麻野耕司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2019/04/03
- メディア: 単行本
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目的、モチベーション
4月にエンジニアリーダーになったので、マネジメントのお勉強をしたいと思ったからというのが大きな目的。
SNSで話題になってたり、Amazonでも評価高いから一応読んでおくかぐらいの温度感で読み始めた。
全体の感想
役に立つところもあったが、正直求めてた感じとは違った。
途中まで読んだエンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリングを真面目に読み続けておけば良かった。
良くも悪くも体系的に教科書的にまとめたという印象で、頭の中が整理はされたが、ビジネス書を普段ある程度読んでたら知ってることが多いと思う。
Amazonで評価が高いのは、Newspicksが絡んでるのでマーケティングの戦略上、売上立てるためにレビュー集めたんだなぁという印象を受けた。
発売してから2週間ぐらいでこの評価。
マネジメントは実践するのが難しくそれが全てで、状況に応じてやるべきことが異なるのもあって、一般論になってしまいがちで仕方ない側面もあるような気はした。
個人的な自戒は下記。
- メンバーの志向のタイプを意識すること。
- 私はアタックとシンキングが強めで、その基準が当たり前にしがちなので気をつけてコミュニケーションを取ろうと思った。
- エンジニアはそういう傾向の人がそもそも多い気がするので、非エンジニアに対しては特に。
- (読む前から思っていたが、)チームの目標とメンバー、文化に応じて最適解は変わる。
- 正解はないので、常に考え続けること。
- コミュニケーションとって状況を常に把握し、変化していく。
- 「イケてる」ものをチームに取り入れる前に、他でそれが上手く回っている前提や構造を理解すること。
目次
概要
第1章 Aim(目標設定)の法則〜目指す旗を立てろ! 〜
「共通の目的がない集団」は「チーム」ではなく「グループ」
目標設定しないと、ただのグループ。
チームのレベルと目的に合わせて、目標の設定の仕方を変える。
- 意義:ブレークスルーは生まれやすいが、何をしたらいいのかがわからなくなるケースがある。メンバーが自主的に意義を持って動くと強い。
- 成果:中間。
- 行動:具体的だが、ブレークスルーが起きにくい。自由にやったほうがパフォーマンスが出るメンバーにとってはやりにくい。
時代の流れ的に、やるべき行動がすぐ変わるので、OKRなどで意義目標を立てて、メンバーが自発的に成果を出すためにどのような行動を起こすかを考える
第2章 Boarding(人員選定)の法則〜 戦える仲間を選べ〜
チームは何のために組織されたかによって、人員選定の最適解は異なる。 チームのタイプは、環境の変化度合いと人材の連携度合いの2軸で4つに分類できる。
人が入れ替わるチームは本当に駄目なのか?
- 環境の変化度合いが大きければ、入れ替わった方がよい。環境が変わると必要なスキルが変わるから、組織の新陳代謝をあげる。
- 環境の変化度合いが小さければ、入れ替わらない方がよい。入れるメンバーを厳選する。
チームには多様性が必要だという誤解
- 連携度合いが低ければ、多様性は無いほうが良い。個人戦の傾向が強くなるので、似た人が多い方が組織としてまとめやすい。
- 連携度合いが高ければ、多様性はあったほうが良い。同じような人ばっかりだと、脆い。
「ゴットファーザー」より「オーシャンズ11」型のチームが強い
時代の流れ的に、連携度合いが強く環境変化が激しいので、新陳代謝のある多様なチームが求められる傾向にある。
第3章 Communication(意思疎通)の法則〜最高の空間をつくれ〜
ルール設定のポイント
- ルールの設定粒度
- 環境変化が小さく連携度合いが大きければ、ルールを多くすべき
- 誰が決めるか
- 環境変化が小さく連携度合いが大きければ、独裁的に決めるべき
- 責任範囲
- 環境変化が大きく連携度合いが大きければ、チーム成果に責任を負うようにすべき
- 評価対象のルール
- 環境変化が小さく連携度合いが大きければ、プロセスを評価し、逆は成果を評価する
- 確認頻度
- 環境変化が大きく連携度合いも大きければ、頻度を高くすべき
メンバーの志向・能力の理解を深める
タイプ | 反応しやすいキーワード | 嬉しい言葉 |
---|---|---|
アタックタイプ | 勝負/敵味方/損得 | すごいね |
レシーブタイプ | 善悪/正邪/愛憎 | ありがとう |
シンキングタイプ | 真偽/因果/優劣 | 正しいね |
フィーリングタイプ | 美醜/苦楽/好嫌 | 面白いね |
心理的安全性を高めましょう。
第4章 Decision(意思決定)の法則〜進むべき道を示せ〜
意思決定は3種類に分類できて、求められるスピードに応じて変える。
- 独裁
- 多数決
- 合議
意思決定する場合には、それぞれの選択肢の特徴を列挙してから比較するのではなく、選択基準とその優先順位を決めてから必要なだけ選択肢の調査を行う。 そうしないと時間が無駄にかかる。
独裁は必ずしも悪いとは限らない。
意思決定が求められる場面では、メリットとデメリットが拮抗していることが多いので、早く意思決定することの方が重要なことが多い。
そして、チームはその意思決定が正しいものになるように実行することの方が重要。
第5章 Engagement(共感創造)の法則 〜力を出しきれ〜
超一流でもモチベーションに左右される。組織の仕組みを作ってエンゲージメントを高めるには4Pの軸で考える。
- philosophy(理念・方針)
- profession(活動・成長)
- people(人材・風土)
- privilege(待遇・特権)
メンバーによってどこに魅力を感じるかは変わり、リソースは有限なのでチームメンバーに応じて最適化する必要がある。
エンゲージメントは以下の3項目に分解できるので、それぞれの4Pで適切に設計する。
- will(報酬・目標の魅力) 目標を立てる
- can(達成可能性) 段階的なプロセスを示す
- must(危機感) ペナルティ
世の中の流れ的に、人材不足かつ流動性が高まっているので、エンゲージメントを高めることが重要で、エンゲル係数が下がり続けており、感情報酬を与えるのが重要。
THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)
- 作者: 麻野耕司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2019/04/03
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